【Q&A】解体前に自分でやってはいけないことはありますか?

解体工事の基礎知識
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解体工事を少しでも安くするために、

「自分でできることは先にやっておこう」

と考える方は少なくありません。

実際に、
家具や生活用品を片付けることで、
解体費用を抑えられるケースもあります。

しかし一方で、
建物を壊したり、
設備を取り外したりすると、
思わぬ事故や追加費用につながるだけでなく、
法律違反となる可能性もあります。

「どこまでなら自分でやっても大丈夫なのか分からない…」

という方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、

  • 解体前に自分でやってはいけないこと
  • 自分で行うと費用を抑えられること
  • 解体前に施主が準備しておきたいポイント

を、
解体工事の現場経験をもとに分かりやすく解説します。


結論

結論から言うと、

建物本体や設備に手を加える作業は、
自分で行わない方が安全です。

壁や柱を壊したり、
屋根や外壁を取り外したりすると、
建物の倒壊やケガにつながる危険があります。

また、古い住宅では、
アスベスト(石綿)を含む建材が使われている可能性もあり、
現在は法律により、
解体前の事前調査が義務付けられています。

一方で、
家具や生活用品の整理、
不用品の処分などは、
自分で行うことで解体費用を抑えられる場合があります。

大切なのは、

片付けは自分で、
建物はプロに任せる

という考え方です。

判断に迷う作業があれば、
始める前に解体業者へ相談することが、
安全で無駄な出費を防ぐ一番の方法です。


建物を壊し始める

「少しでも解体費用を安くしたいから、
自分で壁を壊しておこう。」

このように考える方もいますが、
建物本体を
自分で壊すことはおすすめできません。

建物は、
柱・梁・壁などが、
バランスを保ちながら建っています。

一見すると壊しても問題なさそうな壁でも、
実は建物を支える重要な役割を持っていることがあります。

無理に壊してしまうと、

  • 建物の一部が突然倒れる
  • 天井が落下する
  • ケガや重大な事故につながる

といった危険があります。

また、解体業者から見ても、
中途半端に壊された建物は、
安全確認に時間がかかります。

重機を予定どおり使えなくなり、
手作業が増えれば、
その分だけ工期や費用が増えるケースもあります。

少し壊せば安くなると思って始めたDIYが、
結果的に追加費用につながってしまうことも、
珍しくありません。

建物を壊す作業は、
プロに任せるのが安心です。

解体工事の手続き完全ガイド|工事前・工事中・工事後にやること


屋根材・外壁材・床材を勝手に取り外す

解体前に最も注意していただきたいのが、

  • 屋根
  • 外壁
  • 床材

などを、
DIYで取り外すことです。

古い住宅では、

  • スレート屋根
  • 外壁材
  • 軒天材
  • ビニル床タイル(Pタイル)
  • 一部の内装材

などに、
アスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。

アスベストは、見た目だけで、
含まれているかどうかを判断することはできません。

そのため現在は、
大気汚染防止法石綿障害予防規則により、
解体工事を行う前に、
アスベストの事前調査を実施することが義務付けられています。

もし調査を行う前にDIYで建材を壊してしまうと、
アスベストが飛散し、
自分だけでなく、
近隣住民にも健康被害を及ぼすおそれがあります。

さらに、
法令違反となれば、
行政処分や罰則の対象になる可能性もあります。

「板を1枚外すだけだから大丈夫」

そう思って始めた作業でも、
実際には、
大きなトラブルへ発展することがあります。

アスベストの有無は、
専門知識を持つ、
有資格者が調査して初めて分かります。

安全面だけでなく、
法律を守るためにも、
屋根・外壁・床材などの建材には手を付けず、
調査と解体は専門業者へ任せましょう。

アスベスト対策完全ガイド | 法改正で強化された罰則


電気・ガス・水道設備を勝手に取り外す

電気・ガス・水道の設備も、
自分で取り外してはいけません。

無理に配線を切ったり、
ガスメーターを外そうとしたりすると、

  • 感電
  • ガス漏れ
  • 漏水

など、
重大な事故につながる危険があります。

これらの設備は、
それぞれの専門業者が、
適切な手順で撤去・停止を行います。

一方で、
ライフラインを停止する手続きは、
施主自身が行うのが一般的です。

解体工事の日程が決まったら、
早めに準備を進めましょう。

電気

電力会社へ連絡し、

  • 電気契約の停止
  • 引込線(電柱から建物へつながる電線)の撤去

を依頼します。

引込線の撤去は予約が必要なため、
工事まで1〜2週間程度かかることもあります。

ガス

ガスも、
解体工事の前に停止手続きが必要です。

都市ガスの場合は、
ガス会社へ閉栓を依頼します。

ガスメーターの撤去や本管側の処理は、
ガス会社が行います。

プロパンガス(LPガス)の場合は、
契約しているガス販売会社へ連絡し、
ガスボンベやガスメーターを回収してもらいます。

プロパンガスのボンベは、
ガス会社の所有物であることがほとんどです。

自分で動かしたり処分したりせず、
必ず契約しているガス会社へ連絡しましょう。

どちらの場合も日程調整が必要になるため、
解体直前では間に合わないことがあります。

工事が決まったら、
電気と同じように早めに連絡しておくと安心です。

水道

水道だけは、
電気やガスと違います。

解体工事では、
粉じんの飛散を防ぐために、
大量の散水を行います。

そのため、

水道は工事が終わるまで、
使える状態にしておくのが一般的です。

早く止めてしまうと、
散水車を手配するなど、
余分な費用が発生することもあります。

ライフラインの停止は、

全部止めればいい

ではありません。

電気・ガスは事前に停止し、
水道は工事が終わるまで残しておく。

これが一般的な進め方です。

解体前にやってはいけない「水道・電気・ガスの解約順番」の罠


ブロック塀や擁壁をDIYで壊す

ブロック塀や擁壁(ようへき)は、

「建物じゃないから簡単に壊せそう」

と思われがちですが、
DIYで解体するのは危険です。

コンクリートブロックは1個でも重く、
高さのある塀は、
数百キログラムから数トンになることもあります。

壊し方を間違えると、

塀が一気に倒れて、
下敷きになる可能性もあります。

また、
道路や隣地との境界にある塀は、
自分の所有物ではないケースや、
隣地と共有しているケースもあります。

勝手に壊してしまうと、

近隣トラブルや
損害賠償につながる可能性もあります。

ブロック塀や擁壁の解体は、
安全面だけでなく境界の確認も重要です。

解体業者へ相談し、
所有関係を確認したうえで工事を進めましょう。

ブロック塀を部分撤去するときの完全ガイド


自分でやると費用を抑えやすいこと

何も自分でやらない方がいい、
というわけではありません。

比較的安全に進められ、
費用の節約につながりやすい作業もあります。

例えば、

  • 家具や家電の搬出
  • 生活用品や不用品の処分
  • 遺品や思い出の品の整理
  • 貴重品の確認
  • カーテンや簡単に取り外せる照明器具の取り外し

などです。

こうした作業を、
事前に済ませておくことで、
残置物の処分費用を抑えられる場合があります。

ただし、
無理は禁物です。

少しでも危険だと感じる作業や、
建物・設備に関わる作業は、
自分で判断せず解体業者へ相談しましょう。

「ここまでは自分で片付けたいのですが、
大丈夫ですか?」

と一言確認するだけでも、
安全に工事を進めることができます。

残置物処分が高い理由|一般廃棄物と産業廃棄物の違い

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よくある勘違い

◆ 少し壊しておけば解体費用は安くなる

必ずしもそうとは限りません。

中途半端に壊された建物は、
安全確認や手作業が増え、
かえって工事費が高くなることがあります。

安くするつもりが、
追加費用につながるケースも少なくありません。

◆ 新しい建物だからアスベストは関係ない

これもよくある誤解です。

現在は、
建物の築年数だけで、
調査は不要と判断することはできません。

解体前には、
有資格者によるアスベストの事前調査が、
法律で義務付けられています。

新しい家だから大丈夫と自己判断せず、
必ず解体業者へ確認しましょう。

◆ 電気・ガス・水道は解体業者が全部手続きしてくれる

ライフラインの停止手続きは、
施主が行うケースが一般的です。

工事日が決まったら、
早めに電力会社やガス会社へ連絡し、
余裕を持って準備を進めましょう。


施主が確認しておきたいこと

解体工事を安全に進めるために、
契約前や工事前に次の点を確認しておくと安心です。

  • 自分で片付けてもよい範囲
  • ライフラインはいつ停止すればよいか
  • アスベストの事前調査は完了しているか
  • 残置物はどこまで処分しておけばよいか

迷ったときは、

「これは自分でやっても大丈夫ですか?」

と解体業者へ相談してください。

一つ確認するだけで、
事故や余計な出費を防げることも少なくありません。


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まとめ

解体前にDIYを行う場合は、

片付けは自分で、
建物はプロに任せる

これが基本です。

建物を壊したり、
屋根や外壁を取り外したり、
設備を勝手に撤去したりすると、
事故や追加費用、
法令違反につながるおそれがあります。

一方で、
家具や生活用品の整理、
不用品の処分などは、
自分で行うことで、
解体費用を抑えられる場合があります。

無理にDIYを進めるよりも、
分からないことは事前に解体業者へ相談することが、
安全で結果的に費用を抑える近道です。

安心して解体工事を進めるためにも、

  • 自分でできること
  • プロに任せること

を、しっかり分けて考えましょう。

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