◆ 記事の要約
実家や空き家を見ていて、
「このブロック塀、
何十年も前からあるけど大丈夫かな?」
と不安になったことはありませんか。
2018年の大阪府北部地震では、
ブロック塀が倒壊し、
尊い命が失われました。
この事故をきっかけに、
全国でブロック塀の安全点検や、
管理の重要性が改めて見直されています。
古いブロック塀の中には、
- 鉄筋が入っていない
- 控え壁がない
- 基礎が浅い
- ひび割れや傾きがある
など、
現在の安全基準では、
危険と判断されるものも少なくありません。
さらに、
危険なブロック塀を放置した結果、
地震や台風で倒壊し、
通行人や近隣住宅へ被害を与えてしまうと、
所有者が損害賠償責任を負う可能性もあります。
この記事では、
- 現在の安全基準
- 古いブロック塀の危険な特徴
- 解体した方がよいケース
- 補助金を利用する際の注意点
まで、分かりやすく解説します。
なお、
ブロック塀だけでなく、
建物全体の解体を検討している方は、
こちらの記事も参考にしてください。
▶ 解体工事の手続き完全ガイド|工事前・工事中・工事後にやること
結論|古いブロック塀は一度安全点検

「古いから危ない」
「見た目がきれいだから安心」
実は、
どちらも正しいとは言えません。
ブロック塀は、
築年数だけで安全性を判断することはできず、
見た目では分からない危険が隠れていることもあります。
現場でも、
外から見ると普通だったのに、
解体してみたら鉄筋が一本も入っていなかった
というケースは珍しくありません。
反対に、
築年数が古くても、
しっかりした構造で、
今も安全に使われているブロック塀もあります。
だからこそ大切なのは、
現在の安全基準に照らして確認すること
です。
特に、
- 高さが高い
- 道路沿いにある
- 通学路に面している
- ひび割れや傾きがある
このようなブロック塀は、
一度点検することをおすすめします。
なぜブロック塀の安全性が見直された?
大きなきっかけとなったのは、
2018年6月に発生した大阪府北部地震です。
この地震では、
小学校のブロック塀が倒壊し、
登校中の児童が亡くなるという痛ましい事故が発生しました。
この事故を受けて、
全国で学校や公共施設だけでなく、
一般住宅のブロック塀についても安全点検が進められました。
2018年に、
建築基準法が大きく変わったと思われることがありますが、
実際には、
建築基準法施行令で定められている安全基準を改めて確認し、
既存のブロック塀についても、
点検や改善を進める流れが強まったというのが実情です。
つまり、
昔の基準だから大丈夫
ではなく、
今の安全基準で見ても安全か
が重要になっています。
そのため、
古いブロック塀をそのまま放置するのではなく、
一度状態を確認し、
必要に応じて補修や解体を検討することが大切です。
誰に点検をお願いすればいい?
ブロック塀の状態によって、
相談先は少し変わります。
- 今すぐ危険かどうか知りたい
→ 解体業者や外構業者 - 補修で済むのか、建て替えた方がいいのか知りたい
→ 外構業者やエクステリア業者 - 境界や測量も関係している
→ 土地家屋調査士 - 自治体の補助金を利用したい
→ 市区町村の担当窓口
特に解体業者は、現地調査の際に、
「この塀はまだ使えそうです」
「鉄筋不足の可能性があります」
「解体した方が安全です」
など、
現場経験をもとにアドバイスしてくれることが多いため、
迷ったら一度現地を見てもらうのがおすすめです。
現在の安全基準|まずは自宅でチェック
ブロック塀には、
建築基準法施行令で定められた、
代表的な安全基準があります。
専門知識がなくても確認できるポイントが多いので、
まずはご自宅のブロック塀と見比べてみてください。
◆ 高さは2.2m以下
ブロック塀の高さは、
地盤面から2.2m以下が基準です。
見た目では分かりにくいですが、
大人が両手を上げたくらいの高さが、
約2.2mの目安になります。
◆ 厚さにも基準がある
- 高さ2m以下の塀は厚さ10cm以上
- 高さ2mを超える場合は12cm以上
必要です。
薄いブロック塀は横からの力に弱く、
地震などで倒れやすくなります。
◆ 高さ1.2mを超える場合は控え壁が必要
高さが1.2mを超えるブロック塀には、
3.4mごとに、
控え壁と呼ばれる支えが必要になります。
控え壁とは、
塀の裏側に付いている、
斜めや直角の補強部分のことです。
目安としては、
大人の胸くらいの高さ(約1.2m)を超えているのに、
裏側へ突き出した控え壁がない
という場合は、
一度専門家へ相談することをおすすめします。
◆ 基礎も重要
ブロック塀は、
地面に置いてあるだけでは安全とは言えません。
十分な基礎があり、
地中へしっかり埋め込まれていることも重要です。
古いブロック塀では、
基礎が浅かったり、
十分な根入れがされていなかったりするケースもあるため注意が必要です。
危険なブロック塀チェックリスト
ご自宅のブロック塀が、
現在の安全基準に近い状態かどうかを確認してみましょう。
一つでも当てはまる項目があれば、
専門業者へ相談することをおすすめします。
□ 高さが高すぎる
ブロック塀の高さは、
地盤面から2.2m以下が基準です。
また、
高さが1.2mを超える場合は、
控え壁が必要になります。
見た目では分かりにくい場合もありますが、
かなり高いと感じるブロック塀は注意が必要です。
□ 控え壁がない
高さが約1.2m(大人の胸くらい)を超えるブロック塀には、
おおむね3.4m以内ごとに控え壁が必要です。
控え壁とは、
塀の裏側に付いている補強部分のことです。
道路側からは見えないことも多いので、
一度裏側も確認してみましょう。
□ ブロック塀が傾いている
まっすぐ立っているように見えても、
横から見ると、
道路側へ少し傾いていることがあります。
これは基礎の沈下や、
老朽化が進んでいるサインかもしれません。
傾きが見られる場合は、
そのまま放置しないことが大切です。
□ 大きなひび割れがある
表面だけの細いひびなら、
大きな問題にならない場合もあります。
しかし、
- 大きく口が開いている
- 縦や斜めに長く伸びている
- ブロックがずれている
このようなひび割れは注意が必要です。
□ グラグラ動く
手で軽く押しただけで、
揺れるようなブロック塀は危険です。
本来、
ブロック塀は簡単に動くものではありません。
少しでもぐらつきを感じたら、
早めに点検を依頼しましょう。
□ 樹木や根で押されている
庭木が成長すると、
根がブロック塀を押してしまうことがあります。
最初は小さなひびでも、
何年もかけて少しずつ押し出され、
傾きや倒壊につながるケースもあります。
危険な古いブロック塀の特徴
危険なブロック塀には共通点があります。
特に1970〜1980年代ごろに造られたブロック塀では、
現在の基準では、
安全とは言えない構造になっていることがあります。
例えば、
- 鉄筋がほとんど入っていない
- 控え壁がない
- 基礎が浅い
- DIYで積み上げられている
といったケースです。
見た目はきれいでも、
解体してみると驚くことがあります。
実際に、
中を開けたら鉄筋が一本も入っていなかった
という現場も珍しくありません。
外から見ただけでは判断できないため、
「古いから大丈夫」
「今まで倒れなかったから安心」
と考えるのは危険です。
放置すると解体費以上の損失になることも
危険なブロック塀をそのまま放置してしまうと、
解体費用よりも大きな損失につながる可能性があります。
例えば、
地震や台風でブロック塀が倒れ、
- 通行人がけがをする
- 隣の住宅や車を壊してしまう
といった事故が起きた場合です。
このようなケースでは、
所有者が、
民法第717条の工作物責任に基づき、
損害賠償責任を負う可能性があります。
つまり、
「まだ大丈夫だろう」
と撤去を先送りした結果、
数万円〜数十万円の撤去費用では済まず、
数百万円以上の賠償につながることも考えられます。
安全を守ることはもちろんですが、
本来手元に残るはずだったお金を守るという意味でも、
危険なブロック塀は早めの点検・対応が大切です。
補修?それとも解体?
ブロック塀は、
すべて解体しなければならないわけではありません。
状態によっては、
補修で安全性を高められるケースもあります。
一方で、
老朽化が進んでいる場合は、
補修より解体・新設の方が、
結果的に費用を抑えられることもあります。
おおまかな目安は次のとおりです。
| 補修向き | 解体向き |
|---|---|
| 小さなひび | 大きな傾き |
| 鉄筋OK | 鉄筋不足 |
| 基礎健全 | 基礎沈下 |
| 部分補修で改善 | 根本改善が必要 |
補修で対応できるケース
- 軽微なひび割れだけ
- 一部の補修で安全性を確保できる
- 鉄筋や基礎に大きな問題がない
このような場合は、
部分補修で済むことがあります。
解体を検討した方がいいケース
- 大きく傾いている
- 控え壁がない
- 基礎が沈下している
- 鉄筋不足が疑われる
- 道路沿いや通学路に面している
このようなブロック塀は、
補修では根本的な解決にならないことも多く、
安全面を考えると撤去を検討した方が安心です。
現地調査をして初めて分かることも多いため、
自己判断だけで決めないようにしましょう。
危険なブロック塀の撤去には補助金が利用できることも
自治体によっては、
危険なブロック塀の撤去費用に対して、
補助金制度を設けています。
補助金額や条件は、
地域によって異なりますが、
- 通学路に面している
- 避難路沿いにある
- 一定以上の高さがある
などを条件としている自治体が多く見られます。
対象になれば、
自己負担を大きく減らせる可能性があります。
お住まいの市区町村のホームページや、
担当窓口で確認してみましょう。
補助金で多い失敗は壊してから申請すること
「危ないから早く壊そう」
そう考えて解体工事を先に始めてしまうと、
多くの自治体では、
補助金を受け取ることができません。
補助金は、
工事を始める前に申請し、
交付決定を受けてから着工する
ことが条件になっている場合がほとんどです。
工事が終わってから、
「補助金がありますか?」
と役所へ相談しても、
「すでに着工しているため対象外です」
と言われてしまうケースが、
非常に多くあります。
せっかく利用できたはずの補助金を受けられなくなるため、
工事を依頼する前に必ず自治体へ確認しましょう。
解体費用を知ってから判断する
ブロック塀を補修するか、
解体するか迷っている場合は、
まず撤去費用を把握することをおすすめします。
実際に費用を比べてみると、
「思っていたより安く撤去できる」
というケースもあれば、
「今回は補修で十分そう」
というケースもあります。
また、
解体業者に現地調査を依頼すれば、
- このまま使える状態か
- 補修で対応できるか
- 撤去した方が安全か
といった点も確認してもらえます。
ブロック塀の状態や、
立地条件によって工事費用は変わるため、
1社だけで判断せず、
複数の業者を比較することが大切です。
ブロック塀の撤去を検討している方へ
危険なブロック塀かどうかは、
見た目だけでは判断できないことも少なくありません。
現地調査では、
- 撤去が必要な状態か
- 補修で対応できるか
- 撤去費用はどれくらいかかるか
まで確認してもらえます。
補助金を利用する場合も、
見積書が必要になることが多いため、
まずは複数の解体業者へ相談してみると安心です。
▶ 解体費用を無料で比較して、ブロック塀の撤去費用を確認してみる
ブロック塀を解体する前に確認したいチェックリスト
ブロック塀の撤去は、
思いつきで進めるよりも、
事前にポイントを確認しておくことで、
余計なトラブルや費用を防ぐことができます。
工事を依頼する前に、
次の項目をチェックしてみましょう。
□ ブロック塀にひび割れや傾きはないか
□ 高さが約2.2mを超えていないか
□ 高さ約1.2mを超えているのに控え壁がない状態ではないか
□ 道路や通学路に面していないか
□ 隣地との境界をまたいで設置されていないか
□ 自治体の補助金が利用できるか確認したか
□ 補助金は工事前に申請したか
□ 複数の解体業者から見積もりを取ったか
特に境界上に設置されたブロック塀は、
自分だけの判断で撤去できないケースもあります。
隣地との共有物である可能性もあるため、
工事前に所有関係を確認しておくと安心です。
まとめ
ブロック塀は、
古いから危険というわけではありません。
本当に大切なのは、
現在の安全基準を満たしているかどうかです。
特に、
- 高さが高い
- 控え壁がない
- ひび割れや傾きがある
- 基礎が弱っている
このようなブロック塀は、
一度専門業者へ相談することをおすすめします。
また、
危険なブロック塀を放置して事故が起きた場合は、
所有者が損害賠償責任を負う可能性があります。
まだ大丈夫だろうと先送りするよりも、
早めに状態を確認し、
安全性を確かめることが大切です。
さらに、
撤去を検討している場合は、
自治体の補助金を利用できるケースもあります。
ただし、
多くの自治体では、
着工後の申請は認められていません。
必ず工事前に補助金の有無を確認し、
交付決定を受けてから、
契約・着工するようにしましょう。
ブロック塀の安全性は、
見た目だけでは判断できないことも少なくありません。
まずは現地調査を受け、
安全性や撤去費用を確認したうえで、
補修するか解体するかを判断することをおすすめします。
本記事は、
解体現場に25年以上携わってきた筆者の経験に基づき、
一般的な判断材料としてまとめています。
この記事を書いた人
秋ちゃん
解体業に25年以上従事。
1級建設機械施工技士/建築物石綿含有建材調査士。
木造・RC・鉄骨解体、アスベスト除去(レベル1〜3)など、
現場責任者として多数の解体工事に携わる。
よくある質問(FAQ)
Q1. 古いブロック塀はすべて解体しなければいけませんか?
A. いいえ。すべてを解体する必要はありません。
現在の安全基準を満たし、
ひび割れや傾きなどの異常がなければ、
そのまま使用できる場合もあります。
まずは現地調査で状態を確認しましょう。
Q2. 控え壁がないだけで危険なのでしょうか?
A. 高さ1.2mを超えるブロック塀で控え壁がない場合は注意が必要です。
必ずしもすぐ倒壊するわけではありませんが、
安全基準を満たしていない可能性があるため、
一度専門業者へ相談することをおすすめします。
Q3. 補修と解体では、どちらがおすすめですか?
A. ブロック塀の状態によります。
軽いひび割れ程度であれば補修で済むこともありますが、
傾きや鉄筋不足、
基礎の劣化がある場合は、
解体して新しく造り直した方が安全なケースもあります。
Q4. ブロック塀の撤去には補助金が使えますか?
A. 自治体によっては利用できます。
対象となる条件や、
補助金額は地域ごとに異なるため、
市区町村の担当窓口で確認してください。
なお、多くの自治体では、
工事着工後の申請は対象外となります。
Q5. ブロック塀の撤去費用はどれくらいかかりますか?
A. 長さや高さ、立地条件、重機の使用状況などによって異なります。
正確な費用を知るには、
現地調査を受けて見積もりを取るのが確実です。
複数の業者を比較すると、
費用や工事内容の違いも分かりやすくなります。
▶ 解体費用を無料で比較して、ブロック塀の撤去費用を確認してみる(解体の窓口)
解体費用・手続き・税金・業者選び・近隣トラブルなど、
解体工事でよくある疑問は、
Q&A形式で分かりやすくまとめています。






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