ブロック塀は隣家との共有?勝手に壊していい?所有者と境界を確認する方法

解体工事トラブル回避
この記事は約18分で読めます。

◆ 記事の要約

自宅や実家のブロック塀を撤去しようとしたとき、

「このブロック塀って、うちの物?」
「隣の家との境界にあるけど、共有なの?」
「古くて危ないから、勝手に壊しても大丈夫?」

と疑問に思う方は少なくありません。

特に古い住宅では、
現在の所有者がブロック塀を造ったわけではなく、

  • 誰が造ったのか
  • 誰がお金を出したのか
  • 境界線のどちら側にあるのか
  • 隣家との共有なのか

分からなくなっているケースがあります。

結論から言うと、

誰のブロック塀か分からない状態で、
勝手に撤去するのはおすすめできません。

また、確認するのは、
地上に見えているブロックだけではありません。

ブロック塀本体は自分の敷地内にあっても、

地中の基礎コンクリートや控え壁が、
隣地側へ出ていることもあります。

さらに、
境界付近の工事では、
境界杭を、
誤って撤去してしまうトラブルにも注意が必要です。

この記事では、

  • ブロック塀が共有かどうか確認する方法
  • 隣家への確認
  • 撤去費用
  • 新しいフェンスを設置するときの注意点

まで、初めて解体工事を依頼する方にも分かるように、
順番に解説します。


誰のブロック塀か分からないなら勝手に壊さない

隣家との間にあるブロック塀を撤去したい場合、

「たぶん、うちの塀だろう」

という判断だけで、
工事を始めるのは避けてください。

ブロック塀が自分の敷地内にある

自分側の単独所有である可能性があります。

ただし、
塀の位置だけで所有者が決まるわけではありません。

設置した経緯や、
当時の取り決めなども含めて確認する必要があります。

ブロック塀が隣家の敷地内にある

隣家側の所有物である可能性があります。

ブロック塀が境界線上にある

隣家との共有物と推定される場合があります。

民法では、
境界線上に設けられた囲障などについて、
相隣者の共有に属するものと推定する規定があります。

ただし、

境界線上にある=必ず共有

と単純に決められるわけではありません。

例えば、

  • どちらか一方がお金を出して造った
  • 土地を購入したときに取り決めがあった
  • 昔の所有者同士で合意していた

など、
設置した当時の事情によって、
一方の単独所有と判断される場合もあります。

そのため、
ブロック塀を撤去するときは、

  1. まず境界を確認する
  2. その塀が誰の所有物なのかを確認する

この2つを分けて考えることが大切です。


土地の境界とブロック塀の所有者は別の話

※厳密には、土地の境界には、
登記上の「筆界」と、
所有権が及ぶ範囲を示す
「所有権界」という考え方があります。

両者が一致しない場合もありますが、
この記事では分かりやすく「境界」と表現しています。

ここは、
少し分かりにくいところです。

例えば、
ブロック塀の真ん中あたりに境界線が通っていたら、

「じゃあ、この塀は半分ずつ共有だな」

と思うかもしれません。

しかし、

  • 土地の境界がどこにあるのか

という問題と、

  • そのブロック塀を誰が所有しているのか

という問題は、
必ずしも同じではありません。

境界線より完全に自分側にある塀

自分の土地の中に、
自分の家のために造られたブロック塀なら、
単独所有である可能性が高くなります。

境界線をまたいで造られている塀

両方の土地にまたがっている場合は、
共有物として扱われる可能性を考える必要があります。

境界線上だけれど、昔の取り決めが残っている塀

例えば、

ブロック塀は、
Aさんが費用を全額負担して造り、
Aさんが所有する。

といった事情が確認できる場合もあります。

つまり、

塀の位置だけを見て所有者を決めつけるのは危険

ということです。


ブロック塀本体だけでなく「基礎・控え壁の越境」にも注意

ブロック塀を横から見ると、
地上に見えている部分だけに目が行きます。

しかし、
実際のブロック塀には、
地中に基礎があります。

また、
高さのあるブロック塀などでは、
塀を支えるための控え壁が設けられていることもあります。

ここで注意したいのが、

ブロック本体は自分の土地に入っているのに、
地中の基礎だけが境界を越えている

というケースです。

古い住宅地では、
何十年も前に施工された塀もあります。

現在ほど境界を意識せずに施工されていたり、
後から土地の状況が分かりにくくなっていたりすることもあります。

そのため、

「地上のブロックは全部うち側にあるから、
全部取ってください」

と業者へ伝えるだけでは、
不十分な場合があります。

実際に基礎を掘ってみたら、
コンクリートが隣地側まで広がっていた。

そんな場合に、
何も確認せず隣地側まで掘削すれば、
今度は別のトラブルになりかねません。

ですから、
境界付近のブロック塀を撤去するときは、

地上のブロックだけでなく、
地中の基礎をどこまで撤去するのか

についても、
事前に解体業者と打ち合わせておきましょう。

隣地へ越境している可能性がある場合は、
隣地所有者にも確認してから進める方が安心です。


ブロック塀が共有かどうか確認する5つの方法

「ブロック塀が共有なのか分からない」

という場合、
どうやって確認すればいいのか順番に見ていきましょう。

① 境界杭・境界標を確認する

最初に確認したいのが、
土地の境界を示す境界標です。

住宅地では、

  • コンクリート杭
  • 金属製のプレート
  • 金属鋲
  • 石杭

などが使われています。

ブロック塀の端や、
道路との境目付近などに残っていることがあります。

まずは、

「境界を示すものが残っていないかな?」

という目で現地を確認してみてください。

ただし、
一つ注意があります。

境界標らしきものを見つけたからといって、
自分で勝手に境界線を確定させないことです。

土地の境界は、
古い資料や測量結果、
隣地との確認などが関係する場合があります。

境界杭は、
あくまで重要な確認材料の一つ
として考えてください。

② 土地を購入したときの書類を確認する

次に、
家や土地に関する書類を探してみましょう。

例えば、

  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 境界確認書
  • 確定測量図
  • 地積測量図

などです。

ブロック塀を造った当時の、

  • 工事契約書
  • 見積書
  • 領収書
  • 写真

などが残っていれば、
それも所有関係を確認する材料になります。

相続した実家の場合は、

「そんな書類、見たことないよ」

という方も多いと思います。

その場合は、
親や祖父母が保管していた、
土地や建物関係の書類を、
一度まとめて確認してみるといいでしょう。

古い封筒の中から、
境界確認書や昔の測量図が出てくることもあります。

③ 法務局で土地に関する資料を確認する

手元の資料だけで分からなければ、
法務局で確認できる資料もあります。

例えば、

  • 公図
  • 地積測量図
  • 登記事項証明書

などです。

ただし、
ここにもよくある勘違いがあります。

登記事項証明書を取れば、
ブロック塀の所有者まで書いてあるわけではありません。

これらは、

  • 土地の位置
  • 形状
  • 登記内容
  • 境界

を調べるための資料の一つとして利用します。

法務局へ行けば、
どちらの塀か一発で分かるというものではないので、
注意してください。

④ 隣家へ設置した当時の経緯を聞いてみる

古い住宅地では、
意外と大きな手掛かりになるのが、
隣家の方の話です。

例えば、

「お互い半分ずつお金を出して造ったんですよ」
「前の所有者さんが全部造ったはずですよ」

など、
現在の所有者が知らないことを、
隣家の方が覚えている場合があります。

もちろん、
何十年も前の記憶ですから、
話だけですべてを決めるのはおすすめしません。

できれば、

  • 契約書
  • 領収書
  • 当時の写真
  • 境界確認書
  • 測量図

などと合わせて確認しましょう。

工事前に隣家と話をすること自体には、
大きな意味があります。

解体工事が始まってから、

「えっ、そのブロック塀を壊すんですか?」

となるより、
ずっと話がしやすいからです。

⑤ 分からなければ土地家屋調査士へ相談する

ここまで確認しても、

「結局、境界がどこなのか分からない」

という場合もあります。

そんなときは、
無理に自分で判断する必要はありません。

土地の境界や測量については、
土地家屋調査士が専門家です。

境界について、
隣家との話し合いが難しくなっている場合は、
土地家屋調査士会が運営する、

境界問題相談センター

などへ相談する方法もあります。

また、
すでに隣人との間で、

「この塀は自分の物だ」
「いや、こちらの物だ」

と所有権を巡る争いになっている場合などは、
弁護士への相談が必要になることもあります。

そして、
もう一つ覚えておいてほしいのが、

解体業者は、
土地の境界を決める専門家ではない

ということです。

現場経験の長い業者なら、

「おそらく、この辺が境界ですね」

と経験上の話をすることはあります。

しかし、

「解体屋さんがここだと言ったからここが境界」

とはなりません。

境界そのものが分からない場合は、
工事を始める前にきちんと確認しておきましょう。


境界杭を壊してしまうと、余計な費用がかかることも

ブロック塀の撤去で、
特に注意してほしいと思うのが、
境界杭です。

境界杭は、
ブロック塀から離れたところにあるとは限りません。

塀のすぐ横にあったり、
基礎の近くにあったりして、
解体する側が気づきにくいことがあります。

そのまま、

  1. ブロック塀を撤去
  2. 基礎を掘削
  3. 重機で境界杭まで動かしてしまった

となると厄介です。

一度境界標を失ってしまえば、

「だいたいこの辺だったと思います」
で元に戻していいものではありません。

状況によっては、
土地家屋調査士へ相談し、

  • 資料調査
  • 測量
  • 隣地との確認
  • 境界標の復元

などが必要になり、
まとまった費用が発生することもあります。

数万円程度のブロック塀撤去だったはずなのに、
境界の問題で、
余計な費用まで発生したらもったいないですよね。

そのため、
工事前には、

境界標の位置を確認する

写真を撮って残す

解体業者と一緒に位置を確認する

「この境界標は絶対に触らないでください」と伝える

ここまでやっておくことをおすすめします。

特に、
土地を売却する予定がある方は、
境界標を安易に扱わないようにしてください。


共有のブロック塀を勝手に壊してもいい?

ここまで確認して、

「どうやら隣家との共有みたいだ」

と分かった場合、
次に気になるのが、

「古くなっているし、
こちらでお金を出すなら壊してもいい?」

ということではないでしょうか。

結論から言うと、

共有の可能性があるブロック塀を、
自分だけの判断で全部撤去するのは、
避けた方がいいです。

例えば、

  • 古くて危ないから
  • 建て替えの邪魔になるから
  • 新しいフェンスに交換したいから

という理由があったとしても、
隣家にとっては、

  • まだ使うつもりだった
  • 目隠しとして必要だった
  • 撤去するなんて聞いていない

ということもあります。

こちらとしては、

「古い塀をきれいにしてあげた」

くらいの気持ちでも、
相手から見れば、

「共有している物を勝手に壊された」

となってしまう可能性があります。

特に、
建て替えや土地売却を急いでいると、

「どうせ古い塀だから大丈夫だろう」

と先に工事を進めたくなるかもしれません。

しかし、
隣人とのトラブルになって、
工事そのものが止まれば、
かえって時間も費用もかかります。

共有の可能性があるなら、
壊す前に隣家へ確認する。

これが基本です。

解体工事では、
ブロック塀だけでなく、
騒音や粉じん、
境界などが原因で近隣トラブルになることがあります。

解体工事の近隣トラブル対策


隣人から撤去の同意をもらったら書面に残す

隣家へ説明して、

「古いし危ないから壊していいですよ」

と言ってもらえれば、
ひとまず安心です。

ただし、
ここでもう一歩だけ進めておくことをおすすめします。

それは、

話し合った内容を、
簡単でもいいので書面に残しておくことです。

口約束だけだと、
工事が始まった後になって、

「全部壊していいとは言っていない」
「基礎まで取るとは聞いていない」
「新しいフェンスを造ってくれると思っていた」

と、
お互いの認識がズレることがあります。

特に確認しておきたいのは、

  • どの範囲のブロック塀を撤去するのか
  • 地中の基礎をどこまで撤去するのか
  • 撤去費用を誰が負担するのか
  • 新しいフェンスを設置するのか
  • フェンスの費用を誰が負担するのか
  • 新しいフェンスをどちらの敷地内に設置するのか

といった部分です。

難しい契約書を作るという意味ではありません。

ブロック塀の写真や簡単な図を付けて、
この部分を撤去するということが、
双方で分かる状態にしておくだけでも、
後からの、
言った・言わないを防ぎやすくなります。

解体工事では、
工事そのものよりも、
工事前の、
認識のズレがトラブルになることが少なくありません。

隣家との境界部分なら、
なおさら事前確認を大切にしてください。


撤去後の新しいフェンスは自分の敷地内へ

そして、
共有ブロック塀を撤去するときに、
もう一つ考えてほしいことがあります。

それが、

撤去した後のフェンスをどこに造るのか

です。

古い共有ブロック塀を撤去して、

「今度はアルミフェンスにしましょう」

となることはよくあります。

ここで何となく、
今までブロック塀があった場所と同じ境界線上に、
新しいフェンスを造ってしまうと、
将来また同じ問題が起こる可能性があります。

例えば20年、30年後、
土地を相続した子どもたちが、

「このフェンスはどっちの物?」
「修理代は半分ずつ?」
「撤去するなら隣の許可が必要?」

と、
再び悩むことになるかもしれません。

新しいフェンスを単独所有にするのであれば、

所有する側の敷地内に完全に収めて設置し、
単独で管理できる状態にしておく

ことをおすすめします。

もちろん、
敷地の状況や隣家との話し合いによって、
設置方法は変わります。

ただ、

「昔からここに塀があったから、
新しいフェンスも同じ場所でいいだろう」

と安易に決めないことが大切です。

共有ブロック塀を撤去する目的は、
古い塀をなくすことだけではありません。

将来の世代に、
この塀は誰の物?
という問題を残さないことも、
大切なトラブル対策です。


ブロック塀の撤去費用は隣人と半分ずつ?

共有のブロック塀だと分かると、

「共有なら撤去費用も半分ずつですよね?」

と思うかもしれません。

しかし、

共有だからといって、
撤去費用が必ず50:50になるとは限りません。

なぜ撤去するのかによっても、
話は変わってきます。

例えば、

自分の家を建て替えるために、
工事の邪魔になるから撤去したいというケース。

隣家は、
特に撤去を希望していないのであれば、

「こちらの都合なので、
撤去費用はこちらで負担します」

という話になることもあります。

一方、

  • かなり傾いていて危ない
  • お互い古いと思っていたからこの機会に撤去しよう

ということであれば、
双方で費用を負担する話になることもあるでしょう。

さらに、

古いブロック塀の撤去は双方が希望しているけれど、
新しいフェンスが欲しいのは片方だけ

というケースもあります。

その場合、

撤去費用と新設フェンス費用を、
分けて考える方法もあります。

大切なのは、

工事が終わってから、
お金の話をしないことです。

「半分払ってもらえると思っていた」
「そんな約束はしていない」

となると、
せっかく塀がきれいになっても、
隣人関係が悪くなってしまいます。

撤去する前に、

誰が、何に、いくら負担するのか

まで話しておきましょう。

隣家と費用負担を話し合う場合も、
まず実際の撤去費用が分からなければ、
話を進めにくいものです。

先に2〜3社から見積もりを取り、
撤去費用の相場を確認してから相談すると、
話がしやすくなります。

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お金を出して造ったから、うちの塀で大丈夫?

古いブロック塀について、
よくあるのが、

「この塀は、
うちの父親がお金を出して造ったと聞いています」

というケースです。

もちろん、
どちらが設置費用を負担したのかは、
所有関係を考えるうえで大切な材料になります。

ただし、
父からそう聞いているという話だけで、
すぐに単独所有と決めつけるのも注意が必要です。

何十年も前の話になると、
隣家では、

「いや、うちも半分払ったと聞いている」

となる可能性があります。

もし残っていれば、

  • 当時の工事契約書
  • 見積書
  • 領収書
  • 写真
  • 土地購入時の資料

なども確認してみましょう。

古い塀ほど、

「昔からあるから、
誰の物か考えたこともなかった」

というケースが多いものです。

だからこそ、
撤去するときが、
所有関係を整理する良い機会でもあります。


危険なブロック塀なら共有でも勝手に壊していい?

では、
ブロック塀が大きく傾いていたり、
ひび割れていたりして、
倒れそうで危ないという場合はどうでしょうか。

危険なら、

「緊急だから勝手に壊してもいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、
危険な状態だからといって、
共有の可能性がある塀を、
無断で全部撤去していいと一律に考えるのは避けましょう。

まずは、
隣地所有者へ状況を伝えてください。

必要に応じて、

  • 自治体へ相談する
  • 解体業者に現場を確認してもらう
  • 土地家屋調査士へ境界について相談する
  • 所有権などで争いになっているなら弁護士へ相談する

といった対応を検討します。

倒壊の危険が高い場合は、
人が近づかないようにするなど、
安全確保も必要です。

また、
古いブロック塀については、
現在の安全基準を満たしていないケースもあります。

見た目だけでは判断しにくいため、

「この塀、かなり古いけど大丈夫かな?」

と思ったら、
一度状態を確認しておくことをおすすめします。

古いブロック塀は危険?現在の安全基準と撤去すべきケース

ブロック塀撤去の補助金はいくら?対象条件・申請方法と注意点


解体業者は土地の境界まで確認してくれる?

ブロック塀の撤去を見積もりしてもらうと、
解体業者から、

「ここからここまで撤去ですね」

と確認されます。

そのため、

「解体業者が境界まで確認してくれるんですよね?」

と思う方もいるかもしれません。

しかし、
これは少し違います。

解体業者が確認するのは、

  • どのブロックを撤去するのか
  • どこまで基礎を撤去するのか
  • どの部分を残すのか
  • どんな方法で施工するのか

といった、
工事範囲や施工方法です。

土地の法的な境界そのものを、
解体業者が決めるわけではありません。

現場を長く経験している業者なら、

「この境界杭から見ると、この辺りだと思います」

とアドバイスすることはあります。

しかし、
解体業者がそう言ったから、
ここが正式な境界とは考えないでください。

境界がはっきりしない状態なら、
ブロック塀を壊す前に確認する。

ここを後回しにしないことが大切です。

境界付近のブロック塀を撤去するときは、
安さだけでなく、
残す物や境界標まで細かく確認してくれる業者を選ぶことも大切です。

業者選びで迷っている方は、
こちらも参考にしてください。

解体業者選びで失敗しないための9つの判断軸


ブロック塀を撤去する前のチェックリスト

ここまで読んで、

「確認することが多いな……」

と思った方もいるかもしれません。

でも、
全部を一度に覚える必要はありません。

工事前に、
次の項目を一つずつ確認してみてください。

□ 境界杭・境界標があるか確認した

□ 境界標の位置を写真に残した

□ ブロック塀が境界線のどちら側にあるか確認した

□ 売買契約書・境界確認書・測量図などを確認した

□ ブロック塀を造った当時の資料がないか探した

□ 隣地所有者へ設置当時の経緯を確認した

□ 共有の場合は撤去について隣家と話し合った

□ 撤去範囲を決めた

□ 撤去費用を誰が負担するか決めた

□ 地中基礎や控え壁が隣地へ越境していないか確認した

□ 地中の基礎をどこまで撤去するか確認した

□ 境界標を壊さないよう解体業者へ伝えた

□ 新しいフェンスを設置するか決めた

□ 新設フェンスの費用を誰が負担するか決めた

□ 新しいフェンスをどちらの敷地内に設置するか決めた

□ 境界が分からない場合は土地家屋調査士への相談を検討した

全部にチェックが入らなければ、
工事できないという意味ではありません。

大切なのは、

分からないまま壊さない

ことです。


共有か確認中でも撤去の見積もりは取れる

ここまで読むと、

「所有関係が全部分かるまで、
解体業者には連絡しない方がいいの?」

と思うかもしれませんが、
そんなことはありません。

見積もりだけ先に取ることはできます。

例えば隣家と話し合うときも、

「ブロック塀を壊したいんですが、
費用はまだ分かりません」

という状態より、

「業者に見てもらったところ、
撤去費用はこのくらいでした」

と金額が分かっている方が、
具体的な話をしやすくなります。

また、
業者に現地を見てもらえば、

  • この塀は基礎が大きそう
  • この部分は手作業になるので費用が上がる
  • ここに境界標があるので注意した方がいい

など、
工事上の注意点が見えてくることもあります。

ただし、

見積もりを取ることと、
工事を契約・着工することは別です。

  • 共有かどうか分からない
  • 隣家から撤去の了承を得ていない
  • 境界もはっきりしていない

そんな状態なら、
見積もりまでにしておきましょう。

解体工事の見積もりは、何社くらい取るべき?

所有関係や撤去範囲を確認してから、
正式に契約する方が安心です。

近くの解体業者を探してブロック塀撤去の見積もりを取る


まとめ

ブロック塀は、
何十年もそこにあると、

「自分の家の横にあるんだから、
自分の塀だろう」

と思ってしまいがちです。

しかし、
隣家との境界付近にあるブロック塀は、
所有関係が複雑になっていることがあります。

撤去を考えたら、

境界を確認する

ブロック塀の所有関係を確認する

地中基礎や控え壁も確認する

共有なら隣家と話し合う

撤去範囲・費用負担を決める

見積もりを確認して契約する

撤去する

という順番で進めてください。

そして、
新しいフェンスを設置するのであれば、

できるだけ自分の敷地内に収めて、
誰が所有するフェンスなのか、
分かる状態にしておく。

これも、
将来のトラブルを防ぐ大切なポイントです。

解体業者として一番避けたいのは、
工事を始めてから隣の方に、

「そのブロック塀、うちのですよ」

と言われることです。

重機が入り、
職人も手配した後で工事が止まれば、
施主にも業者にも良いことはありません。

さらに、
せっかく古い共有ブロック塀を撤去したのに、
新しいフェンスをまた境界線上に造れば、

「このフェンスは誰の物?」

という同じ問題を、
次の世代へ残してしまうかもしれません。

壊す前に誰の塀なのかを確認する。

そして、
造り直すなら、

誰のフェンスなのかが分かる状態にしておく。

ここまで考えておくことが、
ブロック塀撤去で隣人トラブルを防ぐ大切なポイントです。


本記事は、
解体現場に25年以上携わってきた筆者の経験に基づき、
一般的な判断材料としてまとめています。

 この記事を書いた人

秋ちゃん
解体業に25年以上従事。
1級建設機械施工技士/建築物石綿含有建材調査士。
木造・RC・鉄骨解体、アスベスト除去(レベル1〜3)など、
現場責任者として多数の解体工事に携わる。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 境界線上にあるブロック塀は必ず共有ですか?

A. 必ず共有とは限りません。

境界線上に設けられた囲障などは、
法律上、
隣接する所有者の共有と推定される場合があります。

ただし、
設置した当時の取り決めや所有関係などによって、
一方の単独所有である場合もあります。

そのため、
境界線上にあるから半分ずつの物と、
見た目だけで判断しないようにしましょう。


Q2. 自分の土地にあるブロック塀なら勝手に撤去できますか?

A. 自分の単独所有であることが確認できれば、
基本的には所有者側で撤去を判断できます。

ただし、
境界付近にある塀の場合は、

  • 地中基礎が隣地へ越境していないか
  • 境界杭を壊さないか
  • 隣地の構造物へ影響しないか

なども確認してから工事を進めましょう。


Q3. 共有のブロック塀を半分だけ撤去できますか?

A. 物理的に一部だけ撤去できるケースはありますが、
自己判断で切るのはおすすめしません。

ブロック塀は、
途中で切ることで強度や安定性に影響する場合があります。

また、
共有物であれば所有関係の問題もあります。

どこまで撤去して、
どこを残すのかについて、
隣家と話し合ったうえで業者へ相談しましょう。

ブロック塀は一部だけ撤去できる?部分撤去するときの注意点


Q4. 隣人がブロック塀の撤去に反対したらどうすればいいですか?

A. 無理に工事を進めないでください。

まず、

  • 土地の境界
  • ブロック塀の所有関係
  • 撤去したい理由

を整理します。

境界が分からなければ土地家屋調査士、
所有権などを巡って法的な争いになっている場合は、
弁護士への相談も検討してください。


Q5. 境界杭が見つからない場合はどうすればいいですか?

A. 自己判断で境界を決めず、
手元の測量図や境界確認書などを確認しましょう。

資料を確認しても境界が分からない場合は、
土地家屋調査士へ相談する方法があります。

特に土地の売却や、
建て替えを予定している場合は、
曖昧なままブロック塀を撤去しない方が安心です。


Q6. 共有ブロック塀の撤去費用は隣人と折半ですか?

A. 必ず折半になるとは限りません。

誰が撤去を希望しているのか、
なぜ撤去するのか、
新しいフェンスをどうするのかなどによって変わります。

工事後ではなく、
着工前に費用負担まで話し合っておきましょう。


Q7. 撤去後のフェンスは境界線上に造ってもいいですか?

A. 境界線上への設置を一律に禁止できるものではありませんが、
将来の共有トラブルを避けるのであれば、

所有する側の敷地内に完全に収めて設置し、
単独で管理できるようにする方法がおすすめです。

古い共有ブロック塀を撤去したのに、
新しいフェンスで再び、
どちらの物か分からないという状態を作らないことが大切です。


解体費用・手続き・税金・業者選び・近隣トラブルなど、
解体工事でよくある疑問は、
Q&A形式で分かりやすくまとめています。

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