◆ 記事の要約
古いブロック塀を撤去しようと思ったとき、
「撤去費用はいくらかかるんだろう?」
「危険なブロック塀なら、
自治体から補助金が出るって本当?」
と気になる方も多いのではないでしょうか。
実際、自治体によっては、
地震などで、
倒壊するおそれのあるブロック塀の撤去費用を補助する制度があります。
さらに地域によっては、
撤去費用だけでなく、
その後に設置する軽量なアルミフェンスや生垣などの費用まで補助対象になる場合があります。
ただし、
ブロック塀の補助金は全国一律ではありません。
自治体によって、
- 補助金額
- 対象となるブロック塀
- 道路との位置関係
- 施工業者の所在地
- 新設するフェンスの条件
- 申請期限
などが違います。
特に注意したいのが、
- 先に工事を始めてしまう
- 補助対象にならない業者と契約してしまう
という失敗です。
この記事では、
ブロック塀撤去の補助金について、
- どんな塀が対象になるのか
- どれくらい補助されるのか
- 申請から撤去までの正しい順番
- 業者選びで注意するポイント
まで、分かりやすく解説します。
ブロック塀そのものの安全基準や危険な状態については、
こちらの記事で詳しく解説しています。
ブロック塀を壊す前に自治体へ確認

補助金を利用したい場合、
一番最初にやることは、
解体業者との契約ではありません。
まず、
自宅のブロック塀が自治体の補助対象になるか
を確認してください。
基本的な流れは、
自治体へ相談
↓
補助対象になるか確認
↓
施工業者などの条件を確認
↓
見積もりを取る
↓
補助金を申請
↓
交付決定
↓
契約・着工
↓
完了報告・補助金請求
となります。
自治体によって細かな流れは異なりますが、
交付決定前に工事を始めると、
補助対象外になる制度があります。
例えば石井町では、
補助金の交付決定前に着工した場合は、
補助対象外であることを明記しています。
水戸市でも、
施工業者との契約は、
交付決定通知を受けてから行うよう案内されています。
つまり、
先に壊して、
あとから補助金をもらうでは、
遅いことがあるのです。
ブロック塀撤去の補助金とは?
ブロック塀の撤去補助は、
単純に個人の外構工事を安くするための制度ではありません。
地震などで危険なブロック塀が倒れ、
- 通行人
- 子ども
- 近隣住民
- 避難する人
などに、
被害が出ることを防ぐ目的があります。
そのため、
庭の中にあるブロック塀なら、
何でも対象になるわけではありません。
道路や避難路などに面した塀を対象にしている自治体が多く、
危険性について、
事前確認を求められる場合もあります。
那珂川市では、
道路に面し、高さ1m以上で、
診断カルテの総合評点が、
一定基準未満のブロック塀などを補助対象としています。
ブロック塀撤去の補助金はいくら?
ここは一番気になるところです。
しかし、
ブロック塀を撤去すれば全国一律で○万円、
という制度ではありません。
自治体ごとに、
金額も計算方法も違います。
2026年度の実例をいくつか見てみましょう。
| 自治体 | 2026年度の主な補助内容 |
|---|---|
| 神戸市 | 塀の長さ×1万円、または撤去費の3分の2の低い方。上限30万円 |
| 多摩市 | 長さ×2万5,000円、工事費の80%、30万円のうち最も低い額 |
| 那珂川市 | 撤去費の3分の2。上限15万円 |
| 鳥取市 | 条件に応じて撤去を補助。軽量フェンス・生垣への改修にも別途補助あり |
神戸市は2026年度、
上限30万円で、
塀の長さ1mあたり1万円、
または、
撤去費の3分の2のいずれか低い額を補助しています。
多摩市では、
長さ×2万5,000円、
助成対象工事費の80%、
上限30万円のうち最も低い額が助成額となり、
2026年度は10件の先着順です。
那珂川市は、
撤去費の3分の2、
上限15万円で、
こちらも2026年度は10件の受付とされています。
こうして比べても、
補助額が自治体によってかなり違うことが分かります。
どんなブロック塀が補助対象になる?
自治体によって条件は違いますが、
対象になりやすいブロック塀には共通点があります。
道路や避難路に面している
倒壊した場合に、
第三者へ被害が出る可能性が高いため、
- 公道
- 避難路
- 通学路
- 不特定多数が利用する道路
などに面していることを条件にしている制度が多くあります。
逆に、
庭の中だけにある塀や、
隣地との境界だけにある塀は対象外になることがあります。
一定以上の高さがある
高さの基準も、
自治体ごとに異なります。
例えば神戸市では、
一定の道路等に面し、
道路側からの高さが、
80cm以上などの条件があります。
那珂川市では、
道路からの高さ1m以上が要件の一つです。
高さ1.2mを超えていれば補助対象、
という全国共通ルールではありません。
危険性が確認されている
- ひび割れ
- 傾き
- 控え壁
- 基礎
- 鉄筋
などを確認し、
自治体の点検表などで、
安全対策が必要と判断されることを条件にしている場合があります。
所有者などであること
基本的には、
塀や土地の所有者・管理者などが申請します。
共有のブロック塀や、
相続した土地の場合は、
ほかの共有者や、
相続人の同意が必要になることもあります。
【注意】どの解体業者に頼んでも補助金が出るとは限らない
ここはかなり重要です。
自治体によっては、
- 市内に本店や支店がある施工業者
- 市内に本社のある事業者
など、
施工業者について条件を設けています。
例えば美馬市の2026年度制度では、
施工業者が、美馬市内に、
本店または支店を有していることが条件です。
横浜市でも、
市内に本社のある事業者から施工業者を選ぶことが求められています。
つまり、
「一番安かったから、この業者に決めた」
というだけでは、
ダメなケースがあるのです。
一括見積もりサービスを利用する場合も、
「○○市のブロック塀撤去補助金を利用したいので、
補助対象になる施工業者を希望します」
と要望欄へ一言書いておくとスムーズです。
ただし、
最終的に補助対象となるかを判断するのは自治体です。
契約する前に、
「この業者へ依頼しても補助金の対象になりますか?」
と自治体へ確認してください。
撤去だけではない|新しいフェンスにも補助金が出ることがある
ブロック塀を撤去すると、
「道路から家の中が丸見えになるのは困る」
という問題が出てきます。
そこで自治体によっては、
危険なブロック塀の撤去
+
軽量なアルミフェンスや生垣などへの改修
まで補助している場合があります。
例えば鳥取市では、
危険なブロック塀を撤去した後に、
軽量フェンス・生垣へ改修する工事
についても補助制度があります。
阿波市では2026年度、
ブロック塀撤去に、
上限13万3,000円、
撤去後の安全なフェンス等の設置に、
上限26万7,000円、
合計最大40万円の制度が設けられています。
これはかなり大きいです。
ただし、
新設すれば何でも補助されるわけではありません。
自治体によって、
- 軽量なフェンスであること
- 設置位置
- 基礎の方法
- 既存ブロックを利用できるか
- 道路後退が必要か
など、
仕様に条件が設けられることがあります。
横浜市では、
補助対象となる軽量フェンスについて、
ネットフェンスや、
アルミフェンスなどと定めています。
鳥取市では、
既存ブロックや既存擁壁を、
基礎として利用するものを補助対象外としています。
そのため、
「撤去後にフェンスも付けたい」
という方は、
工事内容を決める前に、
「フェンスの新設も補助対象ですか?」
「高さや材質などの仕様指定はありますか?」
まで確認しておきましょう。
補助金を使えなくなる代表的な5つの失敗
① すでにブロック塀を撤去してしまった
これは一番避けたい失敗です。
工事後に申請しても、
対象にならない制度があります。
「危険だから、とりあえず壊してしまおう」
ではなく、
まず自治体へ相談してください。
② 交付決定前に業者と契約した
申請書を出したからといって、
すぐに契約していいとは限りません。
交付決定通知を受け取ってから、
契約・着工する制度もあります。
水戸市では、
その順番を明確に案内しています。
③ 補助対象外の施工業者へ依頼した
先ほど説明した、
- 市内業者
- 県内業者
- 市内に本店・支店がある業者
などの条件です。
価格だけで決めないようにしましょう。
④ 道路に面していない
隣地境界だけにある塀などは、
制度の目的上、
対象外になる場合があります。
⑤ 古いという理由だけで申請した
古いだけでは補助対象にならず、
安全性の点検で、
危険と判断される必要がある制度もあります。
補助金は年度末まで残っているとは限らない
補助金には、
年度ごとの予算があります。
ここも見落とされやすいポイントです。
例えば那珂川市は2026年度10件で、
4月1日から先着順。
予算に限りがあるため、
早めの問い合わせを案内しています。
多摩市も、
2026年度10件の先着順です。
つまり、
「2月に工事予定だから1月になってから相談しよう」
では、
すでに受付が終わっている可能性があります。
また、
- 申請
- 審査
- 交付決定
- 工事
- 完了報告
まで、
年度内に終わらせる必要がある制度もあります。
そのため、
解体予定が決まっているなら年度末まで待たず、
できれば年度前半など、
余裕のある時期から確認しておくのがおすすめです。
補助金申請から撤去までの正しい7ステップ
少し複雑に感じた方もいるかもしれません。
実際にやることは、
順番に進めればそれほど難しくありません。
➀ ブロック塀の状態を確認する
- 高さ
- ひび割れ
- 傾き
- 控え壁
などを確認します。
➁ 自治体へ補助制度を確認する
検索するなら、
○○市 ブロック塀 撤去 補助金
で大丈夫です。
必ず自治体の公式ページを確認してください。
このとき、
- 補助対象になるか
- 施工業者の条件
- フェンス新設補助
- 受付期限
- 予算残額
まで確認すると安心です。
➂ 必要なら自治体の事前確認を受ける
自治体職員による現地調査や、
点検表による診断が必要になる場合があります。
この時点では、
まだ壊しません。
④ 補助条件を満たす業者から見積もりを取る
自治体に施工業者の指定がある場合は、
それを満たす業者から見積もりを取ります。
できれば複数社を比較してください。
⑤ 必要書類をそろえて申請する
必要書類は自治体によって違いますが、
- 交付申請書
- 工事見積書
- 工事前の写真
- 案内図・配置図
- 所有者を確認できる書類
- 点検表
- 同意書
などが求められることがあります。
⑥ 交付決定後に契約・着工
ここが最大のポイントです。
申請したから工事していいではありません。
交付決定通知を確認してから、
契約・着工します。
⑦ 工事後に実績報告・補助金請求
工事が終わったら、
- 工事前後の写真
- 領収書
- 契約書
- 完了報告書
などを提出します。
その後、
自治体の審査を経て補助金が交付されます。
補助金があっても1社だけの見積もりで決めない
補助金が利用できると分かると、
「どうせ一部戻ってくるから、この業者でいいか」
と簡単に考えてしまう方もいます。
ですが、
ここでも比較は大切です。
例えば、
A社
撤去費40万円
− 補助金15万円
=自己負担25万円
B社
撤去費28万円
− 補助金15万円
=自己負担13万円
同じ補助金でも、
自己負担は12万円違います。
大切なのは、
補助金がいくら出るかだけではありません。
最終的に自分が、
いくら支払うのかで判断することです。
ブロック塀の撤去を検討している方へ
補助金の申請では、
工事見積書が必要になることがあります。
複数の業者を比較するときは、
一括見積もりの要望欄に、
「○○市のブロック塀撤去補助金を利用したいため、
補助対象となる施工業者を希望」
と記載しておくと話がスムーズです。
ただし、
補助金の最終的な対象判断は自治体が行います。
見積もり後、契約する前に、
必ず自治体へ確認してください。
▶ 解体費用を比較して、ブロック塀撤去の無料見積もりを確認してみる(解体の窓口)
申請前チェックリスト
□ 自治体にブロック塀撤去の補助制度があるか
□ 自宅のブロック塀が対象になるか
□ 道路・避難路などの条件を満たしているか
□ 自治体による事前確認が必要か
□ 施工業者に市内業者などの条件がないか
□ フェンス・生垣の新設も補助対象になるか
□ 新設フェンスに材質・高さ・基礎などの仕様条件がないか
□ 交付決定前に契約していないか
□ 工事前の写真を残したか
□ 見積書を取得したか
□ 受付期限・予算残額を確認したか
□ 工事と実績報告の期限を確認したか
まとめ
ブロック塀撤去の補助金は、
条件を満たせば、
撤去費用の自己負担を大きく減らせる制度です。
さらに自治体によっては、
撤去した後の軽量フェンスや、
生垣への改修費用まで補助される場合があります。
ただし、
- 全国一律ではない
- 補助対象となる塀が決められている
- 施工業者に条件があることもある
- フェンスにも仕様条件がある場合がある
- 予算に達すると受付が終了することがある
- 交付決定前の契約・着工では対象外になる場合がある
という注意点があります。
だからこそ、
一番大切なのは順番です。
自治体へ確認
↓
条件を満たす業者から見積もり
↓
補助金申請
↓
交付決定
↓
契約・着工
この流れを崩さないようにしてください。
そして、
撤去費用 − 補助金
= 最終的な自己負担額
で複数の業者を比較する。
これが、
補助制度を使いながら余計な出費を抑える、
一番現実的な方法です。
▶ ブロック塀撤去の無料見積もりを確認してみる(解体の窓口)
本記事は、
解体現場に25年以上携わってきた筆者の経験に基づき、
一般的な判断材料としてまとめています。
この記事を書いた人
秋ちゃん
解体業に25年以上従事。
1級建設機械施工技士/建築物石綿含有建材調査士。
木造・RC・鉄骨解体、アスベスト除去(レベル1〜3)など、
現場責任者として多数の解体工事に携わる。
よくある質問(FAQ)
Q1. ブロック塀なら必ず補助金を利用できますか?
A. いいえ。
自治体に制度があることに加えて、
道路との位置関係、
高さ、危険性など、
その自治体が定める条件を満たす必要があります。
まずは工事前に市区町村へ確認してください。
Q2. 市外の解体業者でも補助金を使えますか?
A. 自治体によります。
市内に本店・支店がある施工業者などを条件としている自治体があります。
一括見積もりを利用する場合も、
補助金を利用したいことを最初に伝え、
契約前に自治体へ確認しましょう。
Q3. 撤去後のフェンスにも補助金は出ますか?
A. 自治体によっては対象になります。
ただし、
- 軽量フェンスであること
- 設置位置
- 材質
- 基礎
などについて、
独自の仕様条件が設けられている場合があります。
フェンスなら何でも対象と思わず、
工事内容を決める前に確認してください。
Q4. 工事を始めてからでも申請できますか?
A. 対象外になる可能性が高いです。
交付決定前の、
契約・着工を認めていない制度があります。
「危険だから先に壊した」
は通用しないことがあるため、
必ず自治体へ先に相談してください。
Q5. 年度内ならいつ申請しても大丈夫ですか?
A. そうとは限りません。
年度途中でも、
予算上限や予定件数に達すると、
受付が終了する場合があります。
撤去予定が決まったら、
年度末を待たず、
早めに相談することをおすすめします。
Q6. 空き家本体とブロック塀を一緒に撤去しても補助対象になりますか?
A. 自治体によって異なります。
空き家本体の解体や、
土地売却に伴う撤去について、
別の条件が設けられている場合があります。
建物本体の解体契約を結ぶ前に、
ブロック塀の補助制度について、
自治体へ確認しておくのが安全です。
解体費用・手続き・税金・業者選び・近隣トラブルなど、
解体工事でよくある疑問は、
Q&A形式で分かりやすくまとめています。







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