建設リサイクル法とは?解体工事の対象・80㎡(約24坪)基準・届出手順をわかりやすく解説

解体工事の基礎知識
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◆ 記事の要約

家の解体を検討していると、

「建設リサイクル法って何?」
「80㎡以上だと届出が必要って聞いたけど、うちも対象?」
「手続きは解体業者に任せていいの?」

このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

建設リサイクル法とは、
解体工事などで発生する、
コンクリートや木材などをきちんと分別し、
再資源化するための法律です。

戸建て住宅の解体では、

床面積80㎡以上(約24.2坪)

が一つの大きな基準になります。

対象となる解体工事では、
原則として、
発注者である施主が、
工事着手の、
7日前までに届出を行う必要があります。

ただし、
80㎡以上なら何でも対象という単純な話ではありません。

また、
解体業者に任せたから、
施主は何も知らなくていいというものでもありません。

この記事では、

  • 建設リサイクル法の対象
  • 80㎡基準
  • 届出の流れ
  • 施主が確認しておきたいポイント

まで順番に解説します。


建設リサイクル法とは?

建設リサイクル法の正式名称は、

建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律

です。

名前だけを見ると、
難しい法律に感じるかもしれません。

簡単に言えば、

建物を壊したときに出る、
木材やコンクリートなどを、
何でも一緒に捨てるのではなく、
きちんと分けて、
再利用できるものは再資源化しましょう

という法律です。

一定規模以上の対象工事では、
特定建設資材の分別解体等と、
そこから発生した、
特定建設資材廃棄物の再資源化等が義務づけられています。

なぜ建設リサイクル法が必要?

住宅を1軒解体すると、
かなりの量の廃材が発生します。

  • 木材
  • コンクリート
  • 金属
  • 石膏ボード
  • 屋根材

など、
建物はいろいろな材料でできています。

これらをすべて混ぜてしまえば、
再利用できる材料まで廃棄物になってしまいます。

そこで現在の解体工事では、

分けながら壊す
↓
種類ごとに分別する
↓
再資源化できるものは再資源化する

という考え方が基本になっています。

現場で仕事をしていると、
解体というと、
重機で一気に家を壊すというイメージを持っている方も少なくありません。

しかし実際の解体工事は、
ただ壊せばいいわけではありません。

  • どう分けて
  • どこへ運び
  • どう処理するか

ここまで含めて解体工事なのです。


解体工事では80㎡以上が一つの基準

戸建て住宅を解体するとき、
まず知っておきたい数字が、

床面積80㎡(約24坪)

です。

建設リサイクル法では、
特定建設資材が使われている建築物などについて、
一定規模以上の工事を対象建設工事としています。

建築物の解体工事では、

床面積の合計80㎡以上

が規模の基準です。

80㎡は何坪?

80㎡を坪数にすると、

約24.2坪

です。

たとえば30坪の住宅なら、
約99㎡になります。

そのため、
一般的な戸建て住宅を丸ごと解体する場合は、
80㎡の基準を超えるケースも珍しくありません。

ただし、
ここで間違えやすいのが、

土地の広さではない

ということです。

見るのは敷地面積ではなく、
解体する建築物の床面積の合計です。

土地が80㎡以上だから対象という意味ではないので注意してください。

解体以外にも対象となる基準がある

建設リサイクル法は、
解体工事だけを対象にした法律ではありません。

代表的な規模基準は次のとおりです。

工事の種類規模の基準
建築物の解体床面積の合計80㎡以上
建築物の新築・増築床面積の合計500㎡以上
建築物の修繕・模様替等請負代金1億円以上
建築物以外の工作物・土木工事等請負代金500万円以上

ただ、
これから戸建て住宅を解体する方なら、
まずは、

「うちの建物は80㎡以上あるか?」

を確認しておけば分かりやすいでしょう。


80㎡以上なら必ず届出が必要?

ここは少し注意が必要です。

よく、

80㎡以上の建物を解体する
=
必ず建設リサイクル法の対象

と思われがちですが、
規模だけで判断する法律ではありません。

建設リサイクル法の対象建設工事は、

特定建設資材が使われている建築物などの工事で、
一定規模以上のものが対象

です。

そのため、
80㎡という数字だけで判断せず、

「この解体工事は、
建設リサイクル法の対象ですか?」

と解体業者へ確認するのが確実です。

反対に、
80㎡未満なら、
廃材を分別しなくてもいいという意味でもありません。

80㎡は、
建設リサイクル法上の、
対象建設工事を判断する規模基準です。

小さな建物だからといって、
解体で出た廃棄物を、
好きなように処分していいわけではありません。


建設リサイクル法で分別する4つの特定建設資材

建設リサイクル法では、
次の4つが特定建設資材とされています。

  1. コンクリート
  2. コンクリート及び鉄から成る建設資材
  3. 木材
  4. アスファルト・コンクリート

これらを使った対象建設工事では、
分別解体等を行い、
発生した特定建設資材廃棄物について、
再資源化等を行うことが求められます。

ここで勘違いしないでほしいのが、

解体現場から出る廃材すべてが、
特定建設資材というわけではない

ということです。

たとえば石膏ボードなどは、
この4品目には含まれていません。

だからといって他の廃材を、
何でも混ぜて処分していいわけではありません。


解体現場では実際にどうやって分別する?

実際の住宅解体では、
いきなり重機で、
建物全体を潰すわけではありません。

建物によって多少違いますが、

設備や内装材などを取り外す
↓
屋根材などを取り外す
↓
建物の上部構造を解体する
↓
木材や金属などを分別する
↓
基礎コンクリートを解体する
↓
それぞれ適切な処理先へ搬出する

といった流れで進めます。

国土交通省が示す分別解体の施工方法でも、

① 建築設備・内装材などの取り外し
② 屋根ふき材の取り外し
③ 外装材や建物本体の取り壊し
④ 基礎・基礎ぐいの取り壊し

という順序が基本とされています。

つまり、
重機で建物を一気に潰してから分けるのではなく、
分別しながら順番に解体していくのが基本です。

きちんと分別する業者と、
何でも混ぜてしまう業者では、
現場の整理の仕方にも差が出ます。

安さだけではなく、
廃材をどう処理しているのかを見ることも、
解体業者を選ぶうえでは大切です。

解体工事は、
重機で一気に壊すだけではありません。
内装撤去から建物本体、
基礎解体まで、
工程ごとに作業が進みます。

▶ 解体工事の流れを7ステップで解説


建設リサイクル法の届出は誰がする?

対象となる解体工事では、

届出義務を負うのは、
原則として発注者である施主です。

解体業者ではありません。

対象建設工事の発注者または自主施工者は、
工事着手7日前までに、
必要事項を届け出ることが、
法律で定められています。

ただ、実際の解体工事では、
業者が書類作成を手伝ったり、
代理で提出したりすることがあります。

そのため、

業者が提出するなら、
届出義務も業者にある

と思ってしまいやすいのです。

ここは、

誰が書類を作るのか・提出するのか

と、

法律上、誰が届出義務を負っているのか

を分けて考えると分かりやすいでしょう。

解体業者に届出を任せることはできる?

代理で手続きをしてもらえる場合があります。

その場合、
自治体によっては、
施主から代理人への委任状などを求められることがあります。

必要書類や手続き方法は、
提出先によって確認が必要なので、
契約するときに、

「建設リサイクル法の届出は、
どこまで対応してもらえますか?」

「私が用意する書類や委任状はありますか?」

と聞いておくと安心です。

▶ 建設リサイクル法の届出は誰がやる?

解体工事は、
見積金額だけでなく、
こうした届出や事前説明まで、
きちんと対応してくれる業者を選ぶことが大切です。

まだ業者が決まっていない場合は、
複数の業者へ同じ質問をして、
対応を比較してみるのも一つの方法です。

▶ 解体業者を無料で比較してみる


届出はいつまで?工事着手7日前までに注意

対象となる工事では、

工事に着手する日の7日前まで

に届出を行います。

ここで注意したいのが、
工事直前になってから、
慌てて手続きしないこと。

「来週から解体するから、
前日に出せばいいだろう」

では間に合いません。

また、
期限の具体的な数え方や受付方法については、
提出先の自治体で確認しておくのが確実です。

届出が遅れれば、
予定していた着工日に影響する可能性もあります。

解体工事の日程が決まったら、

「建設リサイクル法の届出は終わっていますか?」

と早めに確認しておきましょう。


届出にはどんな内容が必要?

届出には、
分別解体等の計画をはじめ、

  • 発注者に関する情報
  • 工事を行う場所
  • 解体する建物の構造
  • 工事着手時期や工程
  • 分別解体等の計画
  • 解体する建築物等に使われている建設資材の量の見込み

などの情報が含まれます。

実際には、
添付書類などもあるため、
施主が一からすべて作成するとなると、
少し分かりにくいかもしれません。

だからこそ、
見積もりや契約の段階で、

「届出の手続きはどうなりますか?」

と業者へ確認しておくことが大切です。


届出をしないまま解体工事を始めて大丈夫?

対象建設工事で必要な届出をせず、
そのまま工事を始めていいわけではありません。

建設リサイクル法には、
届出義務違反などに対する罰則規定もあります。

大切なのは、

「業者に任せたから大丈夫だろう」

で終わらせないことです。

着工前に、

「届出は提出済みですか?」

と確認する。

これだけでも、
手続き漏れを防ぎやすくなります。


解体業者は工事前に施主へ説明する義務がある

建設リサイクル法は、
施主だけに手続きを求めている法律ではありません。

対象建設工事を請け負おうとする元請業者は、
発注者に対して、
分別解体等の計画などを、
事前に書面で説明する仕組みになっています。

さらに契約では、

  • 分別解体等の方法
  • 解体工事に要する費用
  • 再資源化等をする施設の名称・所在地
  • 再資源化等に要する費用

などを記載することとされています。

初めて解体する方にとっては、
書類を見てもよく分からないかもしれません。

そんなときは遠慮せず、

「この費用は何の費用ですか?」
「この廃材はどこへ持っていくのですか?」

と聞いて大丈夫です。

きちんとした業者なら、
施主にも分かるように説明してくれるはずです。

建設リサイクル法の対象工事では、
分別解体や再資源化に関する内容も、
契約前に確認しておくことが大切です。

▶ 見積書の「一式」はなぜ危険?


工事が終わったら再資源化の報告も確認

建設リサイクル法の手続きは、
届出を出したら終わりではありません。

元請業者は、
再資源化等が完了したとき、
その旨を発注者へ書面で報告し、
実施状況に関する記録を、
作成・保存する仕組みになっています。

施主としては、

工事前の届出だけでなく、
工事後の報告まで確認する

と覚えておけばいいでしょう。


建設リサイクル法とアスベストの事前調査は別

建設リサイクル法では、
建築物の解体工事について、

床面積80㎡以上

という規模基準があります。

だからといって、

80㎡未満だから、
アスベストの事前調査も必要ない

とはなりません。

建設リサイクル法と、
アスベストに関する、
事前調査・報告制度は別の制度です。

つまり、

建設リサイクル法の80㎡基準
=
アスベスト調査が必要になる基準

ではありません。

古い住宅を解体する場合は、
この2つを混同しないようにしましょう。

▶ アスベストの事前調査は必ず必要?


建設リサイクル法と廃棄物処理法は何が違う?

これも名前が難しいので、
簡単に分けて考えましょう。

建設リサイクル法は、
特定建設資材の、
分別解体や、
再資源化などについて定めた法律。

廃棄物処理法は、
廃棄物を、
適正に処理するためのルールなどを定めた法律です。

つまり、

建設リサイクル法を守っていれば、
解体で出たゴミをどう処分してもいい

ということではありません。

解体工事では、
壊し方だけでなく、
その後の廃材の処理まで適正に行う必要があります。

▶ 解体時の残置物と産業廃棄物の違い


施主が解体業者に確認しておきたい4つの質問

建設リサイクル法を全部覚える必要はありません。

初めて解体工事を依頼するなら、
業者に次の4つを聞いてみてください。

「この解体工事は、建設リサイクル法の届出対象ですか?」

「届出書類の作成や提出は、どこまで対応してもらえますか?」

「委任状など、私が準備する書類はありますか?」

「工事完了後、再資源化について報告してもらえますか?」

この4つを確認すれば、
施主として何をすればいいのか、
かなり分かりやすくなります。

法律や届出について質問したときに、
分かりやすく説明してくれるかどうかも、
業者選びの判断材料になります。

▶ 解体業者選びで失敗しないためのポイント

これから解体業者を探す方は、
最初から1社に決めず、
複数社の見積もりや対応を比較してみるとよいでしょう。

費用だけでなく、
届出や廃材処理について質問したときの、
説明の分かりやすさも比較できます。

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よくある勘違い

建設リサイクル法については、
いくつか勘違いされやすい点があります。

80㎡以上なら、
条件に関係なくすべて対象

というわけではありません。

特定建設資材の使用など、
対象建設工事には条件があります。

また、

80㎡未満なら、
廃材を分別しなくてもいい

という意味でもありません。

そして特に注意したいのが、

届出義務者は解体業者

という勘違いです。

対象工事の届出義務を負うのは、
原則として発注者である施主です。

業者が書類を作成したり、
代理で提出したりすることがあるため、
混同しやすいところです。

届出義務者は誰なのかを詳しく知りたい方は、
こちらも参考にしてください。

▶ 建設リサイクル法の届出は誰がする?施主と解体業者の役割を解説

建設リサイクル法の届出と、
アスベストに関する手続きも別物です。

分からない場合は自己判断せず、
解体業者や、
工事場所を管轄する行政窓口へ確認しましょう。


まとめ

建設リサイクル法とは、
解体工事などで発生する、
特定の建設資材を分別し、
再資源化するための法律です。

戸建て住宅の解体では、

床面積80㎡以上(約24.2坪)

が一つの大きな基準になります。

対象となる工事では、

① 対象工事か確認する
② 元請業者から分別解体等について説明を受ける
③ 工事着手7日前までに必要な届出を行う
④ 分別解体・再資源化を行う
⑤ 工事後に再資源化等の報告を確認する

という流れになります。

ここで一番覚えておいてほしいのは、

業者に任せたから、
自分には関係ないではない

ということです。

実際の書類作成や提出を、
業者が手伝ってくれる場合でも、
届出義務者が発注者であることに変わりはありません。

だからこそ、

「この工事は対象ですか?」
「届出は終わっていますか?」

この2つだけでも、
着工前に確認しておきましょう。

難しい法律を全部覚える必要はありません。

施主として必要なところだけ理解して、
分からない部分は、
一つずつ業者に確認しながら進めれば大丈夫です。

初めての解体工事では、
費用だけで業者を決めるのではなく、
建設リサイクル法の届出や分別解体について、
きちんと説明してくれるかも確認しておきましょう。

どの業者に相談すればいいか分からないという方は、
複数社を比較してから決める方法もあります。

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本記事は、解体現場に25年以上携わってきた筆者の経験に基づき、
一般的な判断材料としてまとめています。

 この記事を書いた人

秋ちゃん
解体業に25年以上従事。
1級建設機械施工技士/建築物石綿含有建材調査士。
木造・RC・鉄骨解体、アスベスト除去(レベル1〜3)など、
現場責任者として多数の解体工事に携わる。

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よくある質問(FAQ)

Q1.80㎡は何坪ですか?

A. 約24.2坪です。

ただし、
80㎡という基準は土地の面積ではなく、
解体する建築物の床面積の合計で判断します。


Q2.80㎡未満なら建設リサイクル法の届出は不要ですか?

A. 建築物の解体では80㎡以上が対象建設工事の規模基準です。

ただし、
都道府県の条例によって、
対象となる規模が別に定められている場合もあるため、
工事場所を管轄する自治体へ確認すると確実です。

また、
届出対象外だからといって、
解体で出た廃棄物を自由に処分していいわけではありません。


Q3.木造住宅でも対象になりますか?

A. はい。

木造だから対象外という制度ではありません。

特定建設資材が使われている建築物等で、
規模などの条件を満たす解体工事は対象になります。


Q4.届出は解体業者に任せられますか?

A. 代理で手続きをしてもらえる場合があります。

ただし、
法律上の届出義務者は原則として発注者です。

代理提出の方法や、
委任状などの必要書類については、
解体業者と提出先の自治体へ確認しましょう。


Q5.届出はいつまでに行いますか?

A. 対象建設工事では工事に着手する日の7日前までです。

工事直前では間に合わない可能性があるため、
契約後は早めに確認しておきましょう。


Q6.届出を忘れた場合はどうなりますか?

A. 必要な届出をしないまま対象工事を進めることはできません。

建設リサイクル法には、
届出義務違反などに対する罰則規定もあるため、
気づいた時点で勝手に工事を進めず、
解体業者や提出先の行政窓口へ確認してください。


Q7.アスベストの事前調査とは別ですか?

A. 別です。

建設リサイクル法の80㎡基準と、
アスベストの事前調査義務を混同しないようにしてください。

80㎡未満だからアスベスト調査も不要ではありません。


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解体工事でよくある疑問をまとめています。

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